好奇心旺盛で感性豊かなティボーの、自然のすばらしさに対する共感は幼い頃に育まれました。2006年に中国に移住した彼は、その後10年間、アジアの様々な国で生活してきました。その間に、彼の西洋的感性は様々な影響を受けました。ゆっくりと時間をかけて適切な瞬間を捉える能力、自然の広大さを称賛しながらも細部を探究するマインドなど、彼は自然に対し様々な感覚や経験を活かしてアプローチする方法を見出しました。

ティボー・クリヴェリは、今こそ15年以上かけて調査してきた農園や原料に関する知識を、自身が手掛けるフレグランスを通じて共有したいと考えています。様々な経験を通して彼が直感的・感覚的に得たフレグランスに関するグローバルな理解は、調香師としての知識を完璧に補完しています。

この若き起業家の穏やかな佇まいの奥にあるのは、冒険への渇望です。それは、探検の旅がまだ珍しかった時代に誰も行かないような場所へと出かけていった彼のファミリーに150年以上前から受け継がれてきた精神です。レバノンからオーストラリア、モロッコからインド洋を経由してベトナムへ、3世代にわたり5つの大陸で生活し、彼の先祖たちに脈々と受け継がれてきた多種多様な“遺産”が、彼を冒険へと掻き立てています。

ティボーは、フレグランスの原料が栽培されているプランテーション農園を見つけると、五感が絶え間なく刺激され、夢中になったと言います。このときの調査の旅は予想外の要素に彩られており、フレグランスのあらゆるレベルにおいて、型にはまらない独特な知識を彼にもたらしました。

噴火する火山の斜面で焼け焦げたサンダルウッドのにおいを感じたり、宝石市場でハイビスカスティーを味わったり、海辺にあるバラ畑を散歩したり、オーロラの下でアブサンを飲んだり…

それらひとつひとつはすばらしい経験であり、その可能性を秘め驚きに満ちたテクスチャーや音、風味、香りの世界を、彼は今、フレグランスを通して共有しようとしているのです…